【アメリカの結婚式】日本とはちょっと違うアメリカのウエディング事情

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日本では、まず結婚式場を決めて、セレモニー、披露宴、ドレスや食事など全てを式場で手配するというのが一般的ですが、アメリカではそもそも結婚式場というものがなく、そのためか個性豊かでアイデアたっぷりの結婚式をよくみかけます。

在米歴が増えるにつれて、アメリカの結婚式に参列した回数も増えました。移民の国なので、宗教も文化も多種多様で一概には言えませんが、筆者の体験をもとに、アメリカと日本のウエディング事情の違いを紹介したいと思います。

アメリカでの結婚式:会場

まずは会場を抑えることが大切ですが、セレモニーと披露宴を同じ場所で行う場合もあれば、セレモニーと披露宴の会場が別々の場合もあります。

  • セレモニー&披露宴を同じ会場

主催者も参列者も移動しなくて良いので楽です。ホテルやレストラン、その他のイベント会場など、さまざまな場所で結婚式と披露宴を続けて行えます。会場を屋外と屋内で分けたり、大きなお部屋を仕切ったりやり方は様々ですが、同じ会場でできるのは、日本のやり方に一番似ていると思います。

  • セレモニーと披露宴を別々の会場

日本の結婚式に慣れている人からすると、わざわざ移動するのはずいぶん面倒だと思うかもしれませんが、アメリカでは別々の会場で行われることも頻繁にあります。宗教上の理由や予算があったり、またこだわりがあったりと理由は様々でしょうが、人生における大きな晴れ舞台ですので、妥協はせずにできる限り理想な結婚式を行いたいものです。

参列者の方は場所を移動する上、場合によっては新郎新婦の写真撮影が結婚式後に行われるなどで、式が終わってから披露宴が開始するまで数時間空く場合もあります。でも、皆さん慣れているようで、そういった場合は参列者のみんなで軽くお茶を飲みに行ったり、近くのモールへ出かけたりと、空き時間も楽しんでいるようです。

筆者も数々の結婚式に参列しましたが、式がビーチだったり、披露宴が自宅のお庭だったり公園だったり、スタイルは多種多様でした。美術館などでも施設側が受け入れてくれたら、どこででも結婚式ができるのもアメリカで結婚式をする魅力でもあります。

アメリカでの結婚式:ウエディングドレス

日本では、予約した結婚式場で購入・レンタルし、他の店で購入したドレスや、思い入れのあるドレスを持ち込む場合は、持ち込み料として追加でチャージされることがほとんどです。しかし、結婚式場という施設がないので、ウエディングドレスは自分たちで用意して持ち込むのが当たり前です。

アメリカでの結婚式:お花

結婚式をよく行うホテルやレストランではオススメのフローリストを紹介してくれるところもありますが、自分たちでフローリストを雇うのが一般的です。予算とウエディングカラーにも合わせて、花嫁が持つブーケから会場のデコレーションまで、全て一括でお願いもできます。当日まで会場へ配達してもらいます。

アメリカでの結婚式:写真

前撮りという文化もないので、結婚式当日に全ての写真を撮る場合がほとんどです。こちらもお花と同様に、専属のフォトグラファーを見つけて結婚式当日に雇うのが一般的です。フリーランスでやっている多くの方が個人の結婚式に対応してくれていて、ウエディング用にパッケージを用意している方も多いです。

アメリカでの結婚式:日本とは違う伝統 ブライズメイド&グルームズマン

アメリカの結婚式では、日本でいう花嫁付添人のようなブライズメイドが数人、そして新郎側にも同じ数のグルームズマンがつくというのが一般的です。その中でも女性のメイドオブオーナーと男性のベストマンという役割があり、一番仲の良い友人や兄弟姉妹などが引き受け、指輪交換時やフラワーシャワーなど、率先してお手伝いをする人がいます。みんなでお揃いのドレスとタキシードを着ています。基本的に新郎新婦が「ウェディングカラー」を決めるので、ブライズメイドやグルームズマンのドレスやネクタイの色と、会場のデコレーションの色もマッチしていて写真もとても映えて素敵です。事前にウエディングカラーを聞いて、なるべくドレスの色が被らないようにするのもちょっとしたマナーです。

アメリカでの結婚式: フラワーガール&リングベアラー

ブライズメイド&グルームズマンと並んで新郎新婦をお手伝いしてくれる、可愛いリトルヘルパーたちです。基本的には女の子がお花を担当し、男の子が指輪を担当しますが、親戚や友人に小さな子供がいない場合は、性別は問わないこともあります。バージンロードをフラワーガールが花びらを撒きながら清め、リングベアラーが新郎のところまで大切な指輪をリングピローに乗せて持っていきます。未就学児くらいの小さな子供が担当することが多いので、セレモニーでは偽物の指輪を使うこともよくあるようです。

アメリカでの結婚式:ウェディングレジストリー

新生活のために必要なものや欲しいものをリストにしたウェディングレジストリーを招待状に添えるのが一般的です。日本のご祝儀のようなものですが、特に相場もなく参列者の予算に合わせて、リストの中からプレゼントしたいものをあげるという風習です。なんとも合理的なシステムではありますが、もちろん現金やギフトカードなどをお祝いとしてあげる人もいます。過去には新婚旅行に行くためのファンドレイズをレジストリーとしてあげているカップルもいました。

アメリカでの結婚式:引き出物

ご祝儀もないので、高価な引き出物ももちろんありませんが、Wedding Favorと呼ばれる「来てくれてありがとう」と言った感じのちょっとしたおみやげがあります。ハート形の栓抜きやウェディングカラーのキャンドルなど、小さくて可愛いものが主流です。

アメリカでの結婚式:司会

結婚式場ではないので、進行役が必要な場合は司会者を雇う必要があり、結婚式の雰囲気にあった司会者をお願いします。進行が上手な友人にお願いしたり、披露宴での音楽の選曲も兼ねてDJにお願いしたりすることもあります。

アメリカでの結婚式:ウエディングプランナー

日本の結婚式場でついてくれる人のように、自分たちの結婚式をプランニングしてくれる人を雇うこともできます。ウェディングでは決めなければいけない事はがたくさんあるので、経験豊富な人に手伝ってもらうことで新郎新婦の負担が軽減できます。プランナーの代わりにブライズメイドや時にはグルームズマンたちの協力を得ながら、自分たちで作り上げていくウエディングも見かけます。

アメリカでの結婚式:食事&飲み物

披露宴がホテルやレストランで行われる場合は、そこのコース料理やブッフェをお願いすることになり、飲み物も準備してくれるのが嬉しいです。

披露宴会場が食事は提供していない場合は、自分たちでケータリングを手配し、必要であればサーバーなども雇うことになります。必要に応じて自分たちでバーを設置する場合もありますが、州によってはお酒に関する法律が異なるので、特に屋外などでお酒を提供する場合は注意が必要です。ちなみにカリフォルニア州では、公共の屋外でお酒を飲むことが禁じられているので、公園や海などでアルコールを提供する事はできません。いろんな結婚式に行きましたが、飲み物に関しては、ソフトドリンクやお酒などすべてが主催者が支払ってくれる場合、ソフトドリンクは主催者が支払ってくれるけど、お酒は参列者が支払う場合、またこの時間だけは主催者が支払ってくれるという時間制など予算に合わせていろいろあるようです。

アメリカでの結婚式:披露宴

日本でも新郎新婦のキャンドルサービス、友人による余興、親へのスピーチ・花束贈呈などの定番があるように、アメリカでも定番の余興があります。

  • ダンス

Father Daughter Dance (父と娘のダンス)やMother Son Dance(母と息子のダンス)は主流で、新しい家庭を築く娘や息子と最後のダンスとして異性の親が踊り、会場をしんみりさせてくれます。

  • ブーケトス

日本でもおなじみのブーケトスはアメリカでも定番です。このブーケを受け取った女性が次に結婚すると言われているので、独身女性たちが張り切ってブーケを取りに行きます。時には本気の女性たちがヒートアップする場面も見られます。

  • ガータートス

アメリカでは新婦のブーケトスと同じものが、新郎側にもあります。新婦はウエディングドレスの下にガーターを履いているのですが、新郎がそのガーターを外します。独身男性陣たちに向けて投げ、受け取った人が同じく次に結婚すると言われています。新郎が新婦のドレスの中に手を入れているので会場は大盛り上がりですが、日本の披露宴ではちょっとまだ抵抗がありそうですね。

アメリカの結婚式に招待されたら?

アメリカの結婚式では1人ゲストを連れて行くことができます。例えば、結婚している友人を招待するときは夫婦で招待しますし、独身の友人の場合でも恋人を招待するのが一般的で、特定の恋人がいなくても”The guest”としてプラスワンを連れて行くことができます。今回、コロナ渦の結婚式で蜜を避けるためにプラスワンはご遠慮くださいという招待状も見かけました。招待されたら、指定の日にちまでにRSVP(参加の可否)を知らせ、お祝いの言葉とともに返送します。最近は、ウェブ上の招待状も増えています。また結婚式当日にお祝いのギフトを持って行くのは自分も相手も荷物になるので、事前にウエディングレジストリーを確認して、新郎新婦の自宅へ郵送する場合もあります。

日本とはまた少し違ったアメリカの結婚式ですが、日本でも取り入れたら楽しそうなものなど、たくさんあると思います。気に入ったものがあればぜひ参考にしてみてください。

Writer

MAKO

「素敵ママ」を目指してライター・翻訳家として日々奮闘中。 ロサンゼルス在住・アメリカ人と国際結婚

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